2013年11月1日金曜日

Google Books Ngram Viewer にみる whom と who

Google Books Ngram Viewer には、Ngram Composition という機能がある。 この機能は歴史言語学において非常に重要である。 変異形の割合変化のグラフが一瞬で書けてしまう。

疑問代名詞 who と whom が対格のときのグラフを描いてみよう。 検索文字列は次のようなものである。

(Who did he / (Whom did he + Who did he))

その結果は下のようなグラフになる。 100%に近いほど who が使われ、0%に近いほど whom が使われている。

宇賀治正朋先生の『英語史』(現代の英語学シリーズ、第8巻、開拓社、2000) には次のようにある(p.340)。

疑問詞 who が動詞または前置詞の目的語である場合、 本来の whom に代って主格形 who が用いられることがある。 15世紀中頃に始まり (OEDの初例は 1450 Paston Letters から)、 以後、目的語 who は次第に盛んになり、早くも17世紀後半には whom をしのぎ、 PEでは whom は稀にしか用いられない。

19世紀初頭には who へ変化していたが、 そのあと規範文法 prescriptive grammar が対格形 whom を広めていったことが グラフから見てとれる。 その後、書きことばでもゆっくりと主格形というより無標形の who に戻って きている。

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