日本語において、格付与が変わるのは前項のように 「△に▽を」と「△を▽で」というものが多い。 それ以外の場合として 「△で▽を」と「△を▽で」の場合がある。
(1)a. 森高は、この曲でドラムを叩いた。 b. 森高は、この曲をドラムで叩いた。
これは「で」の役割分担が広いことによる。 パラフレーズすれば、 a. では「〜において」(処格)、 b. では「〜を使って」(具格)になる。 このような例では、意味の違う構文が2種類あると考えるより、 役割で決まると考える方が簡明であろう。
対格が受動者と言えない例もある。
(2)a. 僕は、「座頭市」で勝新を観た。 b. 僕は、「座頭市」を勝新で観た。
b.は文脈か外界知識が必要かもしれない。 「座頭市」が複数作られていて、主演俳優が違うものがあるという 知識がないと違和感がある可能性がある。
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