2013年7月3日水曜日

文法判断と外界知識

いわゆる結果構文というものがある。 英語に比べると、日本語で使える範囲はせまい。 それは事実であるが、微妙な例については、 むしろ外界の知識に左右されているのではないかと思う。

(1)a. She painted the wall red.
   b. She hammered the metal flat.
(2)a. 彼女は壁を赤く塗った。
   b.?彼女は金属を平らに叩いた。

(2)b. の許容度が低いらしいのだが、 実をいえば、僕個人には違和感がない。 金属の特徴の 1つに展性(叩くとのびる)があるのは当然なので、 なぜ不自然という判断になっているのか例文を読むたびに思う。

形容動詞「平らだ」が結果になるような例はいろいろな動詞でみつかる。 とくに料理関係で拾える。

(3)a. 餅は丸く平らに潰した形で、両面に焼き色があり、...
   b. 大麦の外皮をむいて加熱し、ローラーで平らに押したものが「押し麦」。
   c. うち豆とは、平らに叩いた大豆のことです。

形容詞「薄い」が結果になるものもある。

(4)a. 初めに出てきたものは民族料理で、タイ米を乾燥させて薄く潰したもの...
   b. 左上にあるのはカワエビっぽいエビを薄く押したもの。
   c. 肉を薄く叩くのは、少ない油で調理する為でもある。

(3)(4)については、b や c を料理に関心がない人に判断させると、 「非文」と判断をするかもしれないかと思う。 僕自身も実際に用例があるかを確認して、 目的語つきのものを読むまで不自然な感じがしていた。

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