2015年7月21日火曜日

-zate で終わる動詞

前回は -fy (動詞), -fication (名詞) になるはずのものが、 動詞で -ficate になっているものが少数あることを紹介した。 -fy と並ぶ"〜化する"という意味の接尾辞 -ize では、 これが見つからない。

『リーダーズ+プラス』の中で、-zate で動詞のものは、 solimizate "階名唱法する"だけである。 これは sol "ソ" + mi "ミ" + (i)zation "〜化" からの逆形成であろう。 実際の用法を探すと、solmize, solmizate の両方がある。 music class を加えて site:edu に絞って、Google で検索すると、 前者が約15件、後者が約37件である。 なお、solfa も動詞として使うようである。

2015年7月20日月曜日

-ficate で終わる動詞

ラテン語の -ficare "○○化する"は、 フランス語を経由して、-fy という形になるのが普通であるが、 少数の動詞は、-ficate という形もある。 それどころか、-ficate の方が普通であるものもある。

EPWING版の『リーダーズ+プラス』から検索で出てきたのは、 pacificate (pacify に同じ), pontificate ("大祭司として儀式をする"; pontify なし), nidificate ("巣を作る"; nidify も記載あり), caprificate ("イチジクを受粉させる"; caprify なし), certificate ("証明書を与える"; certify は別項目) である。

OEDでは、caprify が obsolete で、caprificate が無印であるが、 英米の大学に絞って Google で検索をすると、caprify がかなり多い。 nidify と nidificate は両者とも OED にあり、nidify が多い。 OED に pontify は稀とあり、Google でも pontificate に比べて少ない。

certificate と certify には使い分けがあるようだ。 コロケーションがかなり違う。 そのうえ、ややこしいことに 少なくともアメリカでは certified teacher と certificated teacherが違う ことがあるようだ。 certified teacher は必ずしも certificate を持っていない。

2015年7月5日日曜日

敬意逓減の国別の違い? Will から Would へ

丁寧な依頼形の will と would についてである。 敬意は would の方が高いとされている。

敬語は、使っているうちに普通の表現になってしまう。 これを「敬意逓減の法則」と言う。 例えば、英語の you はもともと複数形で単数の thou と対立していた。 フランス語の vous のように tu に対して丁寧な単数としても使われたものであったが、 今ではそうであったことすらも忘れされている。

この法則にあてはまりそうなので、 Will you please と Would you please で、アメリカとイギリスにおける割合の変化を 例によって Google Books Ngram Viewer でグラフ化してみた。

いずれの国でもが would の割合が増えている。 これは敬意逓減が起きていることを示すはずだ。

ところで、 以前はイギリスの方がより丁寧な would を多く使っていたが、 現在はアメリカの方が多く使うようになっている。 これが何を反映しているのかは、思案中である。

2015年7月2日木曜日

Can I と May I の誰が利益を得るかでの使い分け

許可を求める Can I と May I の相対的な頻度を Google Books Ngram Viewer で調べてみた。

いずれの動詞でも can の使用が増えている。 ただし、動詞ごとにある程度の違いがあるようである。 ask のばあいに can の割合がまだ低いのは、 許可については can より may がフォーマルと思われているからであろうか。

これに対して、"May/Can I help you" のグラフでは can の割合が減っている。

これは can I と may I の混同によるのであろう。 むしろ自然な表現であるはずの Can I help you を「誤用」とする母語話者するいるようである。 (Is it incorrect to say, “Can I help you?”?[Yahoo! Answers] L2話者がL1話者に言われて質問している。)