2013年6月4日火曜日

不規則な五段活用

国語学で五段活用、日本語学で子音語幹活用と呼ばれているものには、 不規則なものもある。 しかし、どういう理由か、国語辞典に記載してくれない。 母語話者なら知っていて当然ということであろうか。

不規則なところは、連用形の音便形である。 よく使うもののは「行く」と「問う」の2つ。 地域方言ではこれよりも増えることが多い。 ちなみに勤務先は「歩って」の地域である。

カ行のばあい、イ音便が普通(「書く」から「書いて」)であるが、 「行く」は「行って」と促音便になる。 「行いて」のようなイ音便形も拾えるが頻度はかなり低い。

ワア行のばあい、促音便が普通(「思う」から「思って」)であるが、 「問う」は「問うて」とウ音便になる。 ウ音便は動詞の活用のところに「国文法」だと書いてないことがある。

「問う」の連用形は変異形もかなり観察される。 また、複合語の「言問う」の連用形にも変異形がある。 以下は、google.co.jp でフレーズ検索した結果。 ただし、「を問○て」は lang:ja つき、「言問○た」「物問○て」はつけず。

を問○て約 7,9201979
言問○た約 1,160456
物問○て約 52

「言問う」は雅語のせいか、 音便形とはいえない「言問いて」の形の許容度が 高いようである。 これで「言問○て」にしなかったのは地名として「言問」があるので、 「って」("とて")を加えたものが多いからである。

地域差もかなりあるので、連用音便形は辞書の各項目に記載して欲しい。

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