2013年6月17日月曜日

フランス語風ラテン語彙

英語の語彙で数が多いのが、 フランス語風ラテン語彙とでも呼ぶべきものである。 綴りをみると、ほとんどの部分がラテン語なのであるが、 語末の部分だけが、フランス語の形 (ただし、現代フランス語とは異なることがある) になっている。 例えば、"性質" は、 ラテン語で主格が qualitas, 対格が qualitatem であるが、 現代フランス語で qualité, 英語で quality になっている。

これは英語がラテン語から借用するときに、 フランス語のラテン語からの借用規則も借用してしまったことによる。

語末の部分だけフランス語なので、 派生を繰り返すとラテン語のような形に戻しておかないといけない。 例えば、-ity〜-itat-、-ize〜-izat- のようにである。 そこで、quantity → quantitative → quantitativize → quantitativization のように派生されていく。

これだけでもややこしいのに、フランス語風でないラテン語彙がある。 例えば、sanatorium "療養所" のようなものである。 -torium はフランス語風の -tory に対応する。 例えば、 lavatory "便所" のようなものである。

しかも、フランス語風の -ity や非フランス語風の -ium は 古典語アクセント規則(大体は後ろから 3つ目)なのに、 -tory は違う可能性があるというのがさらに面倒。 diréctory だけど、lávatòry 。

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