2024年1月28日日曜日

1980年代「母数」の例 (スラド日記 2017-02-16)

 1986年の別の例:

母集団
調査を行って何らかの知識や情報を得ようとするものの集まりを調査対象の母 集団という.つまり,調査対象の成員の抽出母数となるものが調査の母集団である. (p.104, emphasis mine)

こういう例の「母数」の用法が、 parameter の意味で使われたものの「誤用」から出てきたと考えるより、 今の算数用語だと「もとになる量」(「基準量」、「元高」)にあたる「母数」から出たと 考える方が自然だと、やっぱり思う。

そもそも「文系統計ユーザー」向けの統計の教科書って「母数」が載ってないことも多い。 載ってても触れてあるだけで、覚えるとは考えにくい。 僕の手元にあるのを6冊みて、載ってるのは半分で、複数行の解説のあるのは1つだけ。

ついでだけど、 比較的長めの解説がある教科書では、「統計量」を「誤用」して、「母集団」に掛けている。 このタイプの「誤用」は実はけっこうあって、しかもセミプロばかりなのに、 「誤用」の指摘がまだみつからない。 「誤用」の指摘では、こうゆう非対称的なことはよくあるけど、 ここまで発見できないのもなかなか。

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