2024年1月28日日曜日

「母数」めんどい (スラド日記 2017-04-03)

 「母数」が、 歩合(比)を考えるときの《A中のB》におけるA「基準量」にあたる 用法の方が古いことは何度か書いた。 念のためだが、 統計学の文脈で「母数」をこのような用法で使うのを非規範的であると主張することを 批判してはいない。 集団によっても文脈によっても何が規範かが違うのは当然なことだからだ。

ところで parameter 自身も多義である。 統計学の外であっても、 円: x^2+y^2=r^2 で r を変えると円が変わるとみるときには r が parameter であり、 円周上の点 (x, y) を (r cos t, r sin t) で表せば t が parameter である。 この2つでは前者を「母数」、後者を「媒介変数」と訳すことが多いが、 混同もあるし、さらに「助変数」は両者ともあるようだ。

ところで、上の r のように、1つ1つの図形の方程式では定数あつかいされるが、 広くみると変数であるようなものとして、 楕円関数の「母数」があるが、こちらは modulus で英語だと別語をわざわざ使う。

さて、統計学の「母数」では、上の r のようなものであれば、 正規分布の密度関数 1/√(2πσ^2) exp(-(x-μ)^2/(2σ^2)) のμやσ^2 であるはずだ。 しかし、 歪度や尖度のように母集団やモデルから計算して出すものに対してまでも 「母数」を使うことがある。

つーことで、ごちゃごちゃ。 学術用語って、けっこう適当に使ったり訳したりするからね。

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