「標本 sample」のところで「母集団 population」が出てくる例:
NECのネット調査。母集団が小さいのはどうかと思うが、ネット調査なのにPC苦手派が7割を越える。[emphasis mine]
上原 哲太郎 (2017-02-10) https://twitter.com/tetsutalow/status/830020433604849664
このタイプは初めて見た気がする。[17h30 追記: 非学術的なとこだと意外にみつかるみたい] けど、 この手の混同が起こることは理解できる。 意味的が隣接していて、使われるばあいも同じレベルのものとして並ぶので。
だけど、 「母数 parameter」が 「標本の大きさ sample size」や「母集団の大きさ population size」になるのは、 変化の過程が思いつかない。 二項分布などの「大きさ size」が「母数」になることはあるけど、 「大きさ」に対して「母数」という上位語 hypernym が出てくる文脈が想像できない。
Elsewhere condition、 法学格言の「特別法は一般法に優先する」にあたる原理で 説明した方がいいと思う。 つまり、一般的(適用範囲が広い)な算数用語の「母数」と、統計学に特別な(適用範囲が限定的な)「母数」があって、 特別な方の「母数」が優先されるので、 一般的な算数用語が「誤用」と意識される。
ただ、やっかいなのは、算数用語としての「母数」は「元高」との競合に負けて、 ほぼ廃用で、「元高」自体も算数教育以外では知られていない。 とはいえ、 「確率」との競合に負けた「公算」がイディオマティックには残っているので、 もとの分野で廃用でも使われることはあるはず。
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