2024年1月29日月曜日

モンティ・ホール問題、またたび (スラド日記 2015-03-09)

 Rosenhouse, Jason. 2013. 『モンティ・ホール問題』 [The Monty Hall Problem: The Remarkable Story of Math's Most Contentious Brain Teaser] 松浦 俊輔 訳. 青土社. http://www.amazon.co.jp/dp/4791767527/

週末体調が悪く、逃避がてらに読んだ。 モンティ・ホール問題についての確率論の話から認知まで。 著者は数学の人。 難しくはないけど数式を追う必要がある。 直感/直観にうったえる部分が少ないこともあり、 分からない人には分からないし、 認知的不協和が発生していくので、 一部の人には不満がたまると思う。 訳はいつもの松浦さん通り。

帯から引用:

挑戦者の前に3枚の扉がある。1枚の扉の向こうには車が、 残りの2枚の扉の向こうにはヤギがいる。 挑戦者は、車の隠れている扉を当てれば勝ち。 挑戦者が扉を1枚選択した後、司会者のモンティ・ホールは、 残りの扉のうちヤギがいる方の扉を開けてヤギを見せる。 そして挑戦者に、最初に選んだとびら を、残った開けられていない方の扉に変更するかを尋ねる。 さて、車を当てる確率を高くするには、挑戦者は扉を変更するべきだろうか?

だいぶ前にも投稿したけど、 変えないと当たりは 1/3、変えると 2/3。

念のために古典的に解いておく (無駄のある解き方だけど、全部区別して並べるの方が失敗しない)。

ディレクターが、車、ヤギ太、ヤギ子を扉の順に並べて、 しかもコイントスで最初に当てられたときに開ける扉を表で若い番号、 裏でそうでないと指示する(当たっていないときは使わない)ことにする。 この並べ方は、 車太子表、車太子裏、車子太表、車子太裏、 太車子表、太車子裏、太子車表、太子車裏、 子車太表、子車太裏、子太車表、子太車裏 の12通りで、これらの確率は同じ。

挑戦者が1の扉を選び、モンティが2の扉を開けるばあいは、 車太子表、車子太表、 太子車表、太子車裏、子太車表、子太車裏 の6通りのいずれか。 そこで、変えないと 2/6 = 1/3、変えると 4/6 = 2/3。 以下、同様なので略。

通常はこう解かずに、条件つき確率で解く。

1を挑戦者が選んでいるとする。 P(「1が当たり」かつ「2を開く」)= 1/3 * 1/2 = 1/6. P(2を開く)= P(「1が当たり」かつ「2を開く」)+P(「3が当たり」) = 1/6 + 1/3 = 1/2. そこで、P(「1が当たり」|「2を開く」) = (1/6) / (1/2) = 1/3. 以下、面倒なので略。

まあ、この手の問題は、数式だと説得されても、納得しないんだけどね。

イメージ操作ができれば、少しは納得するはずなのだけど、 条件つき確率の場合にこれがいいのがない。 というより、確率一般にいいのがない。 個人的にいいかなと思うのは、 パラレルワールドが織機の縦糸みたいに一定幅で並んでいるもの (実際には枝分かれ図で確率を書き込んであるものと同じ)。

面倒なので、挑戦者が扉1を選ぶことにしておく。 車が置かれて時点でパラレルワールドが3分割される。 さらに司会者が扉を開けるときに、 3分割のうちの扉1が正解がさらに2分割される、 残りの2つはその中の全てで開ける扉が決まるので分割されない。 扉2が開いたとき、自分がいる世界は★のどちらかの帯にいる。 ★に限ると、変えなければ、(1/6)/(1/6+1/3) = 1/3, 変えれば (1/3)/(1/6+1/3) = 2/3。

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    │     │1当り2開く★
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    │     │1当り3開く
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    │     │
    │     │2当り3開く
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    │     │3当り2開く★
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