松宮哲夫 (2007) 『伝説の算数教科書 <緑表紙>: 塩野直道の考えたこと』 岩波科学ライブラリー 135, 岩波書店。 [amazon.co.jp]
面白かったけど、よいしょ本っぽい。否定的な側面の分析が弱い。 例えば、<緑表紙>には難問が多いのだけど、 それがどういう方向へ進むための難問なのかが明確でないのだ。 有名どころは鶴亀算だけど、無限等比級数もある。 小学レベルで無限等比級数をコラムあつかいで出してもいいと思うけど、 問題にしていいもんなんだろうか。
藤沢利喜太郎の「数え主義」に反抗したのはいいんだけど、 正直雰囲気として藤沢ごのみの分野が今でも高校以下で好まれているのはある と思う。 塩野のやりたかった数理は、今の K 社 (これ自体、彼に教科書を書かせるために作られたともいえる) の 教科書に表現されているのだろうか。むしろ後退していったのではないか。
;; 戦後の暗躍ぶりは、系統学習のとこしか書いてないなあ。
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